May 26, 2014

「願いはすべて叶えられた」- 病院の壁に記された詩

photo credit: Yug_and_her via photopin cc


書籍や掲示板などでたまに目にするこの詩。
ニューヨークのリハビリテーションセンターの壁に書かれたものだそうです。
作者は南北戦争で従軍した兵士だとか、ベトナム戦争から帰還した若者だとか、末期ガン患者だとか言われているみたいですが、本当のところは分からないそう。
思いつめているときに何か大事なことを思い出させてくれる、とても温かく力強い言葉です。


~受難者のことば~

何かを成し遂げたいと 神に強さを求めたが
謙虚さを知れと 弱さを授かった

立派なことがしたいと 健康を求めたが
よりよき行いをせよと 病を授かった

幸せになりたいと 豊かさを求めたが
賢くあれと 貧しさを授かった

皆から賞賛されたいと 力を求めたが
敬虔であれと 弱さを授かった

人生を享受しようと 多くのものを求めたが
すべてを喜びをもって受け入れる人生を示された

求めたものは何ひとつとして得られなかったが 願いはすべて叶えられた
神の意に沿わなかった私だが 真の祈りはしっかりと叶えられていたのだ

私は あらゆる人間の中で 最も豊かに祝福されたのだ


───


A CREED FOR THOSE WHO HAVE SUFFERED

I asked God for strength, that I might achieve
I was made weak, that I might learn humbly to obey

I asked for health, that I might do greater things
I was given infirmity, that I might do better things

I asked for riches, that I might be happy
I was given poverty, that I might be wise

I asked for power, that I might have the praise of men
I was given weakness, that I might feel the need of God

I asked for all things, that I might enjoy life
I was given life, that I might enjoy all things

I got nothing that I asked for, but everything I had hoped for 
Almost despite myself, my unspoken prayers were answered

I am among all men, most richly blessed

May 25, 2014

『HEAT ~灼熱~』熱き男たちの名言集



……このブログでまとめたくなったんだよ……

あまり漫画を読む方ではないんスけどね…この『HEAT~灼熱~』はお気に入りでたまに読み返してしまうんスよ……。
オレはまだ飽きちゃいねェ!!……

おなじみ、武論尊&池上遼一の黄金タッグによる女子供禁制の超社会派バイオレンス漫画……
わずか2日で歌舞伎町のホストクラブを乗っ取った「雄鶴」、唐沢辰巳……
その快進撃は留まるところを知らず、警察、ヤクザ、果ては香港の財閥やアメリカの超巨大ハゲタカ企業までも打倒していく……

おら!毒が早く回るように書いちまうぞォ~!

強いて言やァ…今は自分自身(てめェ)しか見てねェよ!
 ー 唐沢(第1集 序章)


弱い者がどこまで強ェ奴喰えるか…この街で翔びたくなったんだよ…
 ー 唐沢(第1集 第1話)


…媚びるな…媚びて飼われりゃ飯は喰える…だが一生、鎖で繋がれる…
 ー 唐沢(第1集 第2話)


…気に喰わねェ奴は殴る…それだけです…
 ー 唐沢(第1集 第4話)


…久しぶりに人間の”生(き)”の部分見てとまどっているのかも知れん…
 ー 村雨(第1集 第5話)


オレ、結構、あんたのこと好きなんスよ…だってあんたオレを殴らなかったでしょう…
 ー 唐沢(第2集 第1話)


おまえの力は悲しいほど識っている…だが…オレはおまえの”女”じゃない…
 ー 伊丹(第2集 第1話)


…おめェ、便所這ってる虫だ…
 ー 唐沢(第2集 第2話)


…あんたの分も殴っておいたよ…
 ー 唐沢(第2集 第2話)


…オレは、生まれて初めて男に嫉妬している…
 ー 栗木(第2集 第2話)


”組織”に入って頭ァ使って神経すり減らして…泥水啜って上に昇っても…人間、二〇〇年は生きられないんスよ…
 ー 唐沢(第2集 第4話)


…自分の足で歩いている人間に言う事は何も無い…
 ー 唐沢(第2集 第6話)


…脚はあるんだろ…おまえが仕掛けた仕事だ…自分(てめェ)で踊れや…
 ー 唐沢(第2集 第8話)


…そういう人間なら、オレは踊れる…
 ー 唐沢(第3集 第1話)


オ、オレは、やっぱりあいつの…唐沢の女だ…
 ー 伊丹(第3集 第3話)


…やっぱり、これが村雨(オレ)だ…唐沢(ヤツ)の言うとおりだ…綺麗に飾っても、人間、二〇〇年は生きられねェ!…
 ー 村雨(第3集 第3話)


…女が本当に求めているのは、優しい”男”なんかじゃない…荒々しい”雄(オス)”なんだよ…男も女も所詮、人間は動物の延長じゃ…
 ー 千代婆(第3集 第3話)


一つしか道が無ェんなら…他人の山ァ登るより、自分(てめェ)の山ァ造る方が面白い…
 ー 唐沢(第3集 第8話)


オ、オレは…オレは…そこまで、大人にならなきゃいかんのか~!?
 ー 村雨(第4集 第3話)


人間、餓鬼(ガキ)のままァ生きられりゃァ、それに越したことはねェ…
 ー 村雨(第4集 第3話)


死んだらあかん!おめェ、まだ死んだらあかんのや!おめェを捨てた父ちゃん母ちゃん、見返すまで生きなあかんのや!!
 ー 藤巻(第4集 第4話)


オレが動くのは、”好き”か”嫌い”かですよ…
 ー 唐沢(第4集 第4話)


…どんなに時代が変わっても…時代が流れても…人間は変わらない…変わっちゃいけねェんだ…
 ー 唐沢(第4集 第5話)


…”親”が強きゃァ、世の中迷わねェ…
 ー 唐沢(第4集 第7話)


人間は”信念”に生きる、だが”義”の欠(な)き信念は”無”に等しい…
 ー 唐沢の父(第4集 第8話)


人間、奇麗なままじゃ生きられねェ…
 ー 唐沢(第5集 第1話)


あんた達が”ゴミ”だよ…私の知ってる人達は、お金もないし権力(チカラ)もない…学校(ガッコ)もブランドも縁の無いところで生きているよ…けどね!あんた達なんかより、何倍も何倍も絶対にカッコいい!!
 ー 優香(第5集 第2話)


人間は”武器”を握るのに二つのタイプがある…一つは”欲望”のため…そしてもう一つは、己の”尊厳”だ…
 ー 唐沢(第5集 第3話)


…他人蹴飛ばしてでも、頂上(うえ)へ昇ってくださいよ…
 ー 唐沢(第5集 第6話)


コレ、付け続けんのやったら、覚悟せなあかんのや…こいつは、あんたに餌はくれる…けどな、”代紋(バッジ)”は、あんたの首についた鎖でもあるんやで!
 ー 藤巻(第5集 第7話)


愛する人間が周りにいる限り、オレは死なない!!
 ー 唐沢(第6集 第1話)

聖人じゃァ女も守れねェ!
 ー 唐沢(第7集 第7話)


だがなァジイさん!男の根っこはなァ、ヤセ我慢なんだよ!!
 ー 唐沢(第8集 第7話)


オレの”想い”は肚にヘバリついとる一生モンじゃい!そう簡単に捨てられるか~!!…唐沢に借りを返すまでは、ヘコめんのじゃ~!!
 ー 藤巻(第9集 第2話)


オレはその”弱さ”、嫌いじゃない…
 ー 唐沢(第9集 第8話)


…オレの中の蓋が外れたわ!…
 ー レイモンド・タオ(第10集 第1話)


…あいつは死んでも転ばねェ…”純粋(まっすぐ)”なんだよ…
 ー 唐沢(第10集 第6話)


肩書なんざァ糞だよ!…オレの戦いは自分(てめェ)の”能力”との戦いだ!…
 ー 城島(第10集 第6話)


おめェのその涙…誰のためだ…それが自分(てめェ)への悔し涙だったら、おまえはまだ”上”に上がれる…
 ー 城島(第10集 第6話)


オレが感じたままを言やァ、あんたも唐沢も同じ匂いだ…絶対に、人からもらった餌は喰わねェ!
 ー 和久田(第10集 第7話)


人間は公平に生きる権利は与えられる…だが、”平等”ではない!…この世は”差別”で構成されている!能力による”不平等”が社会の仕組みの根本だ!!
 ー 城島(第10集 第8話)


あんたの試行はすべて”上下”…”縦”の関係だ…オレが生きる世界は”横”だ…
 ー 唐沢(第11集 第1話)


オレは飼われているんじゃねェ…てめェの好きで尾を振ってんだよ!!
 ー 和久田(第11集 第2話)


どっちが飼い主なんだ、城島さん…
 ー 唐沢(第11集 第3話)


人間はね、ロマンティストから先に死んでいくのよ…
 ー 八木沢(第11集 第3話)


あんたじゃ勃たねェよ…
 ー 唐沢(第11集 第4話)


(ギン!!)オレはまだ萎(ヘコ)んじゃいねェ!!…
 ー 城島(第11集 第6話)


あなた達は”痛み”を知らない…だから”怒り”もない…人間の”怒り”というものをあなたにも見せてあげる!!
 ー 優香(第11集 第8話)


殴るだけじゃ嗤(わら)われる!!…
 ー 唐沢(第11集 第8話)


なァ涼…一度はオレの下で声ェ上げた仲だ…もう一度、オレと有動、天秤にかけてみねェか?…
 ー 城島(第12集 第1話)


100人の上に立つよりたった一人の友達だよ!!亜希ちゃん!
 ー 優香(第12集 第2話)


あんたもまだ”自分”てものが解っちゃいねェ…神様はそれほどお人好しじゃねェよ!…
 ー 唐沢(第12集 第2話)


なァ有動…法律がなぜ子供(ガキ)に甘いか解るか…おめェらはまだ”骨”ができてねェ!当然、”芯”もできてねェ!…挫折を知れ!痛みを知れ!哀しみを知れ!それがおまえ達の本当の”骨”となり”芯”となる!!
 ー 城島(第12集 第2話)


多分、あんたもオレも普通の人間なんだよ…
 ー 唐沢(第12集 第3話)


人生は一刻(いっとき)…ならば、一瞬の鮮烈な光の中に生きるのも悪くはない!!
 ー 有動(第12集 第3話)


世の中にゃァ鎖の要る犬もいる!…
 ー 唐沢(第12集 第3話)


後悔…!?…もう毒ゥ喰らっちまった人間に、つまらねェ事言うなや…
 ー 林(第12集 第6話)


人間は自分の好きな奴のために死ね…自分がこの世に残しておきたい奴のために死ね…それが、組長っさんの口癖ですから…
 ー 和久田の子分(第12集 第6話)


オレは今までの仲間ァ裏切ったんですよ…半端なことォやってたんじゃ奴等に嗤われる!…
 ー 林(第12集 第6話)


オレと出会わなけりゃ、あいつは違う人生を歩いていた…オレが看取るしかねェだろう…
 ー 城島(第12集 第6話)


で、でもね…オレ達は…唐さんと会って…笑える様になった…笑える生き方…知ったんだよ…だ、だから…奴にも…有動にもそれを…
ー キム(第12集 第7話)

やっぱり「…」と「ァ、ィ、ェ、ォ、」の使い方がたまんねェ!!……

あと…優香ちゃんも結構いい事ォ言ってたんスね!……


May 8, 2014

「母の命を奪ったが、もう一度母の子に生まれたい」 - 京都母殺害心中未遂事件

photo credit: ToOliver2 via photopin cc


2006年2月1日未明に起きた「京都認知症母殺害心中未遂事件」の初公判の内容をまとめたものです。

今際の際までも決して途切れることのない母子の愛情には心が強く打たれます。
また、福祉行政の在り方についても考えさせられる話です。私達も一市民として責任をもってこういった問題に対していく必要があると思います。


京都市伏見区桂川河川敷で2006年2月1日に無職片桐康晴被告が認知症の母親を殺害して無理心中を図ったとみられる事件の初公判が19日に行われた。

事件内容は認知症の母親の介護で生活苦に陥り、母と相談の上で殺害したというもの。
片桐被告は母を殺害した後、自分も自殺を図ったが発見され一命を取り留めた。
片桐被告は両親と3人暮らしだったが、1995年に父が死亡。その頃から母に認知症の症状が出始め、一人で介護していた。
母の生活は2005年4月ごろから昼夜が逆転。深夜徘徊で警察に保護されるほどに症状は進行していった。
片桐被告は休職してデイケアを利用したが、介護負担が軽減されることはなく9月に退職。
生活保護は、失業給付金などを理由に認められなかった。
介護と両立できる仕事は見つからず、12月に失業保険の給付がストップ。カードローンの借り出しも限度額に達し、デイケア費やアパート代が払えなくなり、2006年1月31日に心中を決意した。


「最後の親孝行に」

片桐被告は心中を決意したこの日、車椅子の母を連れて京都市内を観光した。そして翌2月1日早朝、同市伏見区桂川河川敷の遊歩道で事件は起きたのである。

「もう生きられへん。此処で終わりやで」などと言うと、母は

「そうか、あかんか。康晴、一緒やで」と答えた。片桐被告が

「すまんな」と謝ると、母は

「こっちに来い」と呼び、片桐被告が母と額をくっつけ向かい合うと、母は

「康晴はわしの子や。わしがやったる」と言った。

この言葉を聞いて、片桐被告は殺害を決意。
母の首を絞めて殺し、 自分も包丁で首を切って自殺を図った。
冒頭陳述の間、片桐被告は背筋を伸ばして上を向いていた。肩を震わせ、 眼鏡を外して右腕で涙をぬぐう場面もあった。

裁判では検察官が片桐被告が献身的な介護の末に失職等を経て追い詰められていく過程を供述。殺害直前の2人のやりとりや、

「母の命を奪ったが、もう一度母の子に生まれたい」

という供述も紹介。
目を赤くした東尾裁判官が言葉を詰まらせ、刑務官も涙をこらえるようにまばたきするなど、法廷は静まり返った。

裁判の中で片桐被告は、

「私の手は母を殺めるための手だったのか」

と、嗚咽混じりに言葉を残した。


東尾裁判官が片桐被告に下した判決は次の通りである。
「尊い命を奪ったと言う結果は取り返しのつかない程に重大であるが、その経緯や被害者の心情を思うと、社会で生活し自力で更生するなかで冥福を祈らせる事が相当である。被告人を懲役2年6ヵ月に処する…」

続けて、

「…この裁判確定の日から3年間 その刑の執行を猶予する」

殺人としては異例の執行猶予つきの判決である。そして被害者である母の心情をこう述べた。

「被害者は被告人に感謝こそあれ、決して恨みなど抱いておらず、今後は幸せな人生を歩んで欲しいと望んでいるであろう」

判決の後、片桐被告は裁判長から
「絶対に自分で自分を殺める事のないようにお母さんのためにも、幸せに生きてほしい」
と言われ、「ありがとうございました」と深々と頭を下げた。


片桐被告に言い渡した後、東尾裁判官は次のように言葉を残した。
「本件で裁かれるべきは被告人だけであろうか。 否、介護保険や生活保護行政の在り方も問われなければならない。 こうした凄惨な事件に発展してしまった以上、どう対応すべきだったかを行政関係者は考え直す余地がある」