Dec 15, 2013

Apollo: Atmosphere & Soundtracks - Brian Eno


NASAの月面着陸記録映画のためにEnoが制作したサウンドトラック。1983年作。

静謐で優雅な音楽からは、実に様々な印象が生起してきます。
透き通った冷たさを感じていたと思ったら、優しい温もりを感じたり。
限りなく広がる遠大な空間に思いを馳せていたら、なにかに包まれる感覚に囚われたり。
じっとりとした圧力を感じながら、徐ろに体が軽くなっていくように感じたり。

私は初め「宇宙」というコンセプトを知らずに聴いていたんですが、そのときは宇宙というよりは静かな桃源郷の湖畔だったり、わずかな光がゆらゆらと差し込む海の中をイメージしました。これだけ聴き手に強要することなく、しかし強く訴えてくるアンビエントはなかなか無い。その洗練された抽象性、そしてそれがもたらす限りなく心地よい自由こそが、なにか強く訴えかけてくるのだと思う。

トラック11の「Always Returning」は単曲で聴いても特にいいですね。不思議と涙が出そうになります。

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